禁欲学園

「オナ禁」を「学び」に

禁欲財団法人オナ禁学園(3)

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モコみちはE組の教室がある一階まで来ていた。

そこでモコみちが見たものは、1年E組のクラスで起きている喧嘩だった。生徒用の机が1つ倒され、教室の後ろで、1人の生徒が、別の生徒の胸ぐらを掴んでいた。激昂して、いまにも殴りかかりそうだった。胸ぐらを掴まれている生徒の横には、激昂している生徒を煽っているように、へらへらしていた。

「なんで俺が退学しなきゃいけねーんだよ!!」

怒っている生徒はそう言った。

「お、お前がシコったからだろ!?なんで俺に当たるんだよ!」

「オナニー臭いんだよ!!さっさと退学しろ!!」

殴られそうな生徒とその近くにいる生徒はそれぞれ言った。

モコみちはいまいち状況が把握できなかったが、このままでは暴力沙汰になってしまう。生徒会長の前で暴力事件など許されない周りの生徒は円を使ってみているだけ。先生をあたふたしていて止められない。自分が止めなくてはならないと思い、

「お前たち、ナニがあった?」

と聞いた。

すると、円を作って見ていた生徒の1人が言った。

「あ、モコさん!さっきあいつが授業中オナニーしてたんですよ。それで、近くにいたあの2人が、退学だ!退学だ!って煽ったら、授業中なのにあいつキレちゃって、それで今、喧嘩になっているですよー」

 

モコみちは状況を理解した。同時に、クラスの喧嘩を他人事みたいに見ているだけの1年E組のクラスメイトたちをみて、悲しくなった。この状況、キレているクラスメイトを憐れむ目、迷惑だ、と嫌がっている目、頭がおかしいやつだ、とバカにしたような目、まるでイジメじゃないか。

と、考えているうちに、自分がここにきた理由を思い出した。とりあえず、話し合いに持っていこう。

モコみちは胸ぐらを掴んでいる手をそっと掴み、質問した。生徒も、それに答えた。

「お前がオナニーしたって話は本当か?」

「それは違います!授業中に、勝手にアソコが勃ってきて、全く触れずに射精してしまったんです!だからシコっていません!本当です!」

モコみちは、なるほど、だからここまでして反抗していたのか、と納得した。

モコみちは、「お前、名前は?」と聞くと、「朝勃快斗(あさだち かいと)です。と答えた。

「朝勃、お前は精密検査をつける必要がある。放課後、お前の手に精子がついているかどうか調べるから、それまで手は洗うなよ。だからもう喧嘩はやめろ。みんなも、今は授業の時間だ。今起きたことは一旦忘れて、遅れた分、集中力で取り返せ。」

と言って、E組を後にした。

朝勃は胸ぐらから手を離し、席に着いた。殴られそうだった生徒は、制服で掴まれていたところを、まるで汚いものがついたかのように手で払った。他の生徒も、黙って席についた。

 

続く

 

亀太郎